2025年8月2日(土)MIオープンキャンパス開催

開校前に明星Institution中等教育部の授業を体験していただこうと、2025年8月2日(土)に小学5・6年生の方を対象に、オープンキャンパスを開催いたしました。
予約受付の段階から大変多くのお申し込みをいただき、午前の枠の定員を拡大したうえで、急遽午後の枠も追加するなど、大変ご好評をいただきました。

台風9号の接近により開催が心配されましたが、当日は幸いにも快晴に恵まれ、無事に実施することができました。

参加者の皆さまには、まず視聴覚ホールにお集まりいただき、その後4つのグループに分かれて体験授業を受けていただきました。

国語:その見え方、本当に合ってる?~視点が変われば世界が変わる

佐野 佐和子(さの さわこ)先生

国語の授業では、「ちょっと立ち止まって」をテーマに、“ものの見方”について考える時間を持ちました。

授業の冒頭では、ルビンの壺(見る人によって「顔」にも「壺」にも見える図)を紹介。参加した子どもたちに「何に見える?」と問いかけると、「壺!」「横顔!」とさまざまな声があがり、意見は黒板にまとめられていきました。
その後も、ドクロの隠し絵などを通して、「一見するとそう見えるもの」も、見方や視点を変えることで別の姿が見えてくることに気づいていきました。

最後には「私たちはつい、一目見た印象だけで物事を判断してしまいがち。でも、ちょっと立ち止まって、別の視点で見てみると、今まで気づかなかった面に出会えるかもしれない。」と先生が語りかけました。

「多角的な見方を持つことの大切さ」を、言葉だけでなく図や体験を通して学ぶ、印象深い授業となりました。

算数:正負の数がグングンわかる トランプ学習法

鈴木 智子(すずき ともこ)先生

算数の授業では、4人1組のグループに分かれて、トランプを使ったゲーム形式の学びが行われました。使用するのは、数字が1〜4のカード。クローバーとスペードは「財産」、ダイヤとハートは「借金」となり、順番にカードを引いたり引かれたりしながらゲームが進行します。

ゲームの鍵は、「自分が一番お金持ちだ」と思ったタイミングで「ストップ」と宣言すること。その時点で全員のカードを公開し、最も財産の多い人がそのラウンドの勝者となります。数回の勝負を経て、最終的に最も勝利数が多かった人がグループ内のチャンピオンとなります。

最初は、初対面のメンバー同士ということもあり、少し遠慮がちな様子が見られましたが、ルールに慣れてくるにつれて、笑顔や笑い声が増え、どのグループも白熱した雰囲気に。参加者同士の交流も自然と生まれていきました。

ゲーム後半では、「0という数の役割」についてのミニ講義も。先生は、0には「絶対的な無」「相対的な無」「基準」という3つの重要な意味があることを、具体例を交えて丁寧に解説。身近なゲームから数学的思考につなげていく展開に、子どもたちも自然と引き込まれていました。

社会:上から見ると見えてくる!都市と歴史のふしぎ

久保田 峻輔(くぼた しゅんすけ)先生

社会の授業では、参加者同士が2人1組になり、相談しながら進める対話型の授業が行われました。まずはアイスブレイクとして「好きなおにぎりの具」を紹介し合い、お互いの距離を縮めることからスタート。教室内には自然な笑顔と会話があふれ、柔らかな空気に包まれました。

授業はクイズ形式で進行。最初の問いは「この門の名前は?」という一枚の写真から始まり、答えは「凱旋門」。そこからフランス・パリの街についての学びへとつながっていきました。「空から見たパリの街の形は?」という三択問題に対して、参加者はペアで相談しながら回答を考えます。

その後、Google Earthを使って実際に上空からパリの街を観察。街が放射線状に広がっている様子を見て、「どうしてこんな形になったのか?」という問いが投げかけられました。ここからは歴史の視点に切り替わり、ナポレオンの甥であるルイ=ナポレオン皇帝による大規模な都市改造が紹介されました。道路の整備や下水道の整備といった具体的な施策に触れながら、その背景には何があったのかを考えます。

ヒントとなるプリントが配られたあとは、保護者の方々も巻き込んでのディスカッションに。市民の暴動、汚水の問題、狭い道…こうした都市の課題に対して、パリの大改造がなぜ必要だったのかを、参加者全体で掘り下げていきました。

最後のまとめでは、「視点を変えることの大切さ」が語られました。地上から空へと視点を移したことで街の姿が見えたように、市民の視点と権力者の視点の両方を持つことで、歴史の出来事にも新たな意味が見えてくる。そんなメッセージが参加者の心に静かに残る、深い学びの時間となりました。

理科:つくってさわって飛ばして!スライム&シャボン玉実験室

藤田 勲(ふじた いさお)先生

理科の授業では、子どもたちが楽しみにしていた「実験」がテーマ。今回は、「スライムをつくろう」「シャボン玉をつくろう」という2つの実験に取り組みました。

スライム作りでは、先生の説明を聞きながら、材料を一つずつ丁寧に混ぜていきます。普段見慣れない材料や、変化していく手ざわりに戸惑いながらも、参加者たちは真剣な表情でかき混ぜ、スライムが完成する瞬間を楽しんでいました。実験では、洗濯のりを使ったタイプと、使っていないタイプの2種類を作成し、それぞれの違いを観察。手を動かしながら、科学の不思議を実感している様子が印象的でした。

次は、「割れないシャボン玉液」の実験です。普通のシャボン玉よりも長持ちする不思議な液を、数種類の薬品を混ぜて作りました。 普段は使わないような科学実験用の器具にも、子どもたちは興味津々。先生の説明をよく聞きながら、丁寧に作業を進める姿が印象的でした。

さらに、先生から「シャボン玉の中にもう一つシャボン玉を作る方法」が紹介されると、子どもたちは何度も挑戦。うまくいくまで根気強く取り組む姿から、理科への興味と集中力が育っていることが感じられました。完成したシャボン玉で遊ぶ時間には、歓声があちこちで上がっていました。

4教科すべての体験授業を終えたあと、参加した皆さんには「体験授業修了証」として賞状が授与されました。緊張していた表情が、最後には誇らしげな笑顔に変わっていたのがとても印象的でした。
授業後に感想を聞くと、「楽しかった!」「またやりたい!」という声がたくさん上がり、子どもたちにとって充実した一日になったことが伝わってきました。

今回の体験授業を通して、「学ぶことって楽しい」「考えるって面白い」と感じていただけたのなら、私たちにとってこれ以上うれしいことはありません。

中高一貫校としての学びのスタートラインに立つきっかけとして、今後もこうした体験の場を大切にしていきたいと考えています。ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。